日本酒雑学-24 夏に燗酒
夏に燗酒
夏に燗酒と言うと、えー!と思います。
夏は暑いがゆえに、冷たいものを飲み過ぎてしまったり、室内では冷房が欠かせなかったりと、意外と身体が冷えてしまっています。
そのように冷えてしまった身体のまま、居酒屋に行って「キンキンに冷えたビール」ばかり飲んでいては、さらに身体を冷やす一方です。
このように意外と身体が冷えてしまっている夏には、キンキンに冷えたビールよりも日本酒、特に燗酒がおすすめです!
燗酒は体に優しい
なぜ、日本酒の燗酒がおすすめか?
それは日本酒の身体を温める効果に加えて、さらに温かい飲み物を口にすることで身体が温まるからです。
日本酒には、他のお酒に比べて身体を温める効果があります。
昔から「暑いときにはあたたかいものを」とよく言われます。
実際に江戸時代に書かれた「養生訓」という文献には「酒は夏月も温なるべし。冷飲は脾胃を破る。」という記述があります。
なんでも、体温に近い温度で飲むことで身体への負担が減らせるようです。江戸時代の頃から夏に燗酒がすすめられていたんですね。
飲みすぎ防止になる
また、日本酒の飲み過ぎも防ぐことができます。
一般的にアルコールは体温に近い温度で吸収されます。
冷たいお酒は体内に入ってから時間をかけて温まり、ようやく吸収されます。
そのため、お酒を飲んでから酔いがまわるまでのタイムラグが長くなります。
その結果、実際に飲んだアルコールの量を把握できずに、飲み過ぎにつながってしまうのです。
燗酒は、体温に近い温度で飲むことになりますので、飲んでから酔うまでのタイムラグが短く、お酒を飲みながら自分の酔いを把握できるため「知らない間に飲み過ぎていた」ということを防げるのですね。