日本酒雑学-17
冷酒
たまにですけど冷酒を下さいと言われる年配の方がいらっしゃいます。
初めは何の事だろうと判らずきょとんとしていました。
「冷や」と「冷酒」
日本酒において「冷や」とは、「常温の状態のお酒」を意味します。
冷蔵庫のない時代、日本酒はお燗で飲むか、温めず常温のまま飲むかの二択でした。
そのため、お燗よりも温度が低い常温のお酒を「冷や」と呼んでいたのです。
一方の「冷酒」は、冷蔵庫や氷水の中に入れて冷やした、「冷たい状態のお酒」のことです。
居酒屋などの飲食店でも、「冷や=常温のお酒」と定義していることが一般的です。
ただ、近年は冷酒のことを「冷や」と呼ぶ人も増えています。飲食店などで注文する際、どちらの意味で取られるか分からず不安な場合は、「常温でください」「冷酒をお願いします」などと、確実に伝わるように注文することをおすすめします。
冷酒の温度帯別の呼び方
涼冷え(すずびえ)
15度程の、「涼やかな冷たさを感じる日本酒」が涼冷えです。
目安としては、冷蔵庫からだして10分くらい経った頃。
華やかな香りが立ち上がり、ツンとするほどは冷たくない、まさに涼やかな温度です。
花冷え(はなびえ)
花冷えは「花さえ冷たくなる温度の日本酒」で、10度くらいのものを指します。香りが弱まり、きめ細やかな味わいになります。
雪冷え(ゆきびえ)
雪冷えは、「雪のように冷えた日本酒」です。冷酒の中でも特に温度が低い5度あたりの日本酒が、雪冷えと呼ばれます。よく冷やすことで香りが抑えられ、シャープな味わいになります。
※お酒でも温度帯で味の変化があります。
日本酒は楽しいですよ!